君にたくさんのありがとうを




「ごちそうさま」



自分の食器を下げて、部屋へと向かう。


自室に入ってから、はぁと大きなため息をついた。


平然としてるのもなんだか疲れる。


自分に嘘をついているみたいで。


すごく自分のことが嫌になる。


自分がとても嫌い。大嫌い。


そりゃ、そんな私のことを好きになる人もいないわけだ。



「行きたくないなぁ」



心の声がポツリと声に出て、スっと消えていく。


正直、あんなに居心地の悪い学校になんて行きたくない。


逃げてしまえばどんなに楽か。


でも、ここで学校に行かなくなってしまったら、もう二度と学校に行くことはできない気がする。


そんな気持ちがあって、学校を休む気にもならなかった。


学校は嫌だけれど、高校くらいはちゃんと出ておかないと将来が不安だ。


あと2年の辛抱。


人生の中の2年なんてほんの少しだけ。


憂鬱な気持ちのまま、今日も着慣れた制服に袖を通した。




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