君にたくさんのありがとうを
いつの間にか光の世界に慣れてきている自分がいた。
未だに夢なのか現実なのかはわからない。
圭佑たちから「早く目を覚ませよ」なんて心配そうな言葉をかけられたけれど、すぐに学校での話に戻って、楽しそうだった。
俺も早くその輪の中に入りたいと思うほど。
それが圭佑なりの元気のつけさせ方だと思う。
一緒に来ていた岡田もものすごく肩を落としていて元気が無さそうだったから。
俺は、たくさんの人に心配をかけさせてしまっているらしい。
早く目を覚ましたい。
けれど、この真っ暗な世界からどう抜け出したらいいのかがわからない。
ただただ、真っ白いスクリーンに映し出された世界を見ているだけ。
俺はどうしたらいいのだろう。
しばらくして圭佑たちも皆帰ってしまって、病室にひとりぼっちになってしまった。
ひとりぼっちなんていつぶりだろうか。
中学生のあの時以来だと思う。
久しぶりのひとりぼっちは、とても寂しく感じた。
詩織はいつもこんな気持ちなんだろうか。