君にたくさんのありがとうを
眩しい……
ギュッとつぶっていた目を開くと、そこには詩織と岡田がいた。
何かを話しているのはわかるけれど、何を話しているのかは聞こえない。
それだけがいつもと違った。
岡田は優しい笑顔を浮かべていて、詩織は嬉しそうに泣いている。
2人に何があったのだろうか。
俺にはわからない。
早く俺の意識が戻ってくれ。
詩織に伝えたいことがあるんだ。
詩織のことが“好き”なんだって。
早く伝えたい。
「……痛っ」
するとその瞬間、頭を鈍器で殴られたような痛みが走った。
痛い……
なんだ、これ……
痛みが身体中に走る。
「神代くん!神代くんっ!!」
「颯馬!こっち!颯馬っ!!」
俺を呼ぶ声がする。
それが俺の道標のような気がして───
その瞬間、今までにないくらいの眩しい光が俺を照らした。