君にたくさんのありがとうを
それからしばらくして先生が駆けつけてくれて、体に異常がないか、簡単な検査をすることになった。
神代くんが検査をしている間、病室で陽子ちゃんと待機していた。
そこに連絡を受けた神代くんの家族がやって来た。
「詩織ちゃん、陽子ちゃん。颯馬と一緒にいてくれてありがとうね」
「そんなっ……」
「颯馬の意識が戻って良かったです。今は検査中で……」
「えぇ、看護師さんから聞いてきたわ。私たちも一緒に颯馬を待ってもいいかしら」
「はい」
「もちろんです!」
神代くんのお母さんからは、何度もお礼を言われた。
いつも颯馬に寄り添ってくれてありがとうと。
私なんかお礼をされる義理はないのに。
自分を責めないでと何度も言われたけれど、やっぱり罪悪感は感じてしまう。
神代くんが無事であって欲しいと願ってる。
検査に行ってからしばらくして、先生と共に神代くんは戻ってきた。