君にたくさんのありがとうを



そうして3人で話していると、神代くんの両親が病室に戻ってきた。



「……どうでしたか?」


「どこにも異常ないし、このまま順調に回復したら2、3日で退院できるそうよ」


「ほら、大丈夫って言ったろ?」



そう神代くんが自慢げに言う。


神代くんのお母さんもホッとしている様子だった。


今は穏やかな顔をしているけれど、きっとお父さんも心配だっただろう。


本当に神代くんが無事で良かった。



「じゃあ、お友達もいるみたいだし、私たちは帰るわね」


「あぁ、わざわざありがとう」


「退院日決まったら連絡もらうことになってるから、その時迎えに来るわ」


「わかった」



そんな会話を交わして、神代くんの両親は帰って行った。


本当は誰よりも自分たちの子どものことを心配して、いろいろ話したいことだってあるはずなのに。


感謝の気持ちでいっぱいになった。





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