君にたくさんのありがとうを
「来週から学校来られるのか?」
「あぁ、行くつもりだよ。早く復帰しねーと置いてかれる」
「安心しろ!颯馬の分も板書はしっかりしてあるから」
拳を胸に当てて自慢げな鎌田くん。
友達思いの優しい人だ。
そんな優しさをくれているというのに神代くんは……
「圭佑の字見えるかな……ねぇ、詩織見せてよ」
「えっ」
「おい!それは酷くね?」
これは酷すぎる。
私が見せるのもいいけれど、せっかく鎌田くんが言ってくれているというのに。
「冗談だよ。ノート頼むわ」
「おう」
とても賑やかで、いつもの日常が戻ってきたのだとホッとする。
今までと違うのは、私の周りに人がいること。
陽子ちゃんに鎌田くん。
そして一番大きな存在の神代くん。
もう私はひとりぼっちじゃない。
これも全て神代くんのおかげ。