君にたくさんのありがとうを
「颯馬、そろそろ行くぞ」
神代くんのお父さんがお開きの時間だと声がかかった。
まだ退院したばかりの神代くん。
きっと体力も完全には復活していないだろうから、ゆっくり休んで欲しい。
「あぁ。じゃあ、みんなまた学校でな!」
神代くんがにこりと笑う。
私たちはまたそれにつられて笑顔になる。
神代くんの力は本当にすごい。
「おう、またな、颯馬!」
「待ってるからね、颯馬〜」
「うん、またね」
私たちに見送られて神代くんは両親と車に乗って帰って行った。
「じゃあ、俺たちも帰るか」
「そうだね、帰ろっか」
私たちは駅まで一緒に帰ることになった。
「詩織っていつから颯馬と付き合ったの?」
そんな帰り道、陽子ちゃんにそう問いかけられた。