君にたくさんのありがとうを



「颯馬、そろそろ行くぞ」



神代くんのお父さんがお開きの時間だと声がかかった。


まだ退院したばかりの神代くん。


きっと体力も完全には復活していないだろうから、ゆっくり休んで欲しい。



「あぁ。じゃあ、みんなまた学校でな!」



神代くんがにこりと笑う。


私たちはまたそれにつられて笑顔になる。


神代くんの力は本当にすごい。



「おう、またな、颯馬!」


「待ってるからね、颯馬〜」


「うん、またね」



私たちに見送られて神代くんは両親と車に乗って帰って行った。



「じゃあ、俺たちも帰るか」


「そうだね、帰ろっか」



私たちは駅まで一緒に帰ることになった。



「詩織っていつから颯馬と付き合ったの?」



そんな帰り道、陽子ちゃんにそう問いかけられた。




< 180 / 205 >

この作品をシェア

pagetop