君にたくさんのありがとうを
「体調は平気?」
「お陰様で超元気!」
ガッツポーズをしてニッコリと笑う神代くん。
今日もとても元気そうだ。
「本当に元気になってくれてよかった」
「俺が死ぬわけないだろ?」
「もう、本当に危なかったんだからね?」
焦りと恐怖であまり記憶が無いけれど、神代くんが運ばれた救急車の中で、必死に神代くんの無事を祈っていたことだけは思い出せる。
どれだけあの時間が怖かったか……
神代くんは全然わかってない。
こうして今元気に隣を歩いてくれているから、別にわかってくれなくてもいいのだけれど。
「久しぶりだなー学校」
「ずっと眠ってたもんね」
「本当、長い夢だったよ。あ、夢と言えば……」
神代くんがふと思い出したようなことを言う。
「事故に遭ってから予知夢が見られなくなったんだ」
「そうなの?」