君にたくさんのありがとうを
「あ、でも」
神代くんは足を止めて私を見た。
「最後に見れた予知夢が詩織が告白してくれる夢でよかった」
「……っ!」
悪魔のような微笑みをする神代くん。
絶対わかっててやっている。
私が恥ずかしくなって何も言えないって。
「……意地悪」
「可愛いやつにはいじめたくなっちゃうの」
「なに、それ……」
「男ってそういうもんなの」
本当に?
それは神代くんだけじゃないの?と思ってしまう。
「……ばか」
そんな私の声は神代くんに届いていないのか、機嫌が良さそうだった。
「俺と付き合ってくれてありがとうな」
「何、突然……」
「改めて言いたくなったんだよ」
改めて言われると恥ずかしい。
一気に体が熱くなった。
神代くんは私をドキドキさせる天才だ。