君にたくさんのありがとうを



そんな話をしていると学校に着いてしまった。


楽しく話していると、ずっと遠いななんて思っていた学校への道があっという間に感じる。


やっぱり神代くんの力はすごい。


神代くんは、私に新しい世界を見せてくれる。


学校へ着くと、すぐに玄関先でクラスメイトに会って、神代くんは声をかけられていた。



「神代、大丈夫だったか?」


「心配したぞ、颯馬!」



それは教室へ着いてからも。


クラスでも人気者の神代くんは、みんなに出迎えられていた。


さすが人気者だなぁ。


私なんかが彼女でいいのかと思ってしまうくらい、眩しい人。



「退院そうそう彼女と登校かよ、羨ましい」



クラスメイトの男の子がそう言った。


それ同時に神代くんに腕を回され、引き寄せられる。



「ちょっ!」



ぴったりと重なる体に、ドキドキが止まらない。



「いいだろ?俺たちラブラブだからな、邪魔すんなよ」



またサラリと恥ずかしいことを……


周りの男子たちは「ヒューヒュー」と口笛を鳴らしていた。




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