君にたくさんのありがとうを
「いいの……?」
「話、あるんでしょ?」
私が恐る恐る聞くと、英里ちゃんがそう言った。
それに私はこくんと頷く。
ゆっくり2人の元へと足を進めて、2人の目の前に座った。
英里ちゃんと未奈ちゃんは気まずそうに黙り込んでいた。
私もどこから話したらいいか迷ってしまい、しばらく沈黙の時間が続いた。
「なに、話って」
そう口を開いたのは未奈ちゃんの方だった。
“どう行動するかだよ、詩織”
また脳内に神代くんの言葉が響く。
未来を変えたいのなら、行動しなきゃ。
「誤解を解きたいの」
「誤解?」
「それって……」
「当時のこと。本当のこと2人に伝えたい」
私がそう言うと、英里ちゃんと未奈ちゃんは私が何の話をしたいのか、わかったようだった。