君にたくさんのありがとうを



「いいの……?」


「話、あるんでしょ?」



私が恐る恐る聞くと、英里ちゃんがそう言った。


それに私はこくんと頷く。


ゆっくり2人の元へと足を進めて、2人の目の前に座った。


英里ちゃんと未奈ちゃんは気まずそうに黙り込んでいた。


私もどこから話したらいいか迷ってしまい、しばらく沈黙の時間が続いた。



「なに、話って」



そう口を開いたのは未奈ちゃんの方だった。



“どう行動するかだよ、詩織”



また脳内に神代くんの言葉が響く。


未来を変えたいのなら、行動しなきゃ。



「誤解を解きたいの」


「誤解?」


「それって……」


「当時のこと。本当のこと2人に伝えたい」



私がそう言うと、英里ちゃんと未奈ちゃんは私が何の話をしたいのか、わかったようだった。




< 194 / 205 >

この作品をシェア

pagetop