君にたくさんのありがとうを



頭の中で否定したばかりだというのに。


それがすぐに崩される。



「予知夢……?」


「って言われても意味わからねぇよな……」



そんな呟きに、私はこくんと頷いた。


わかるわけが無い。


予知する夢と書いて予知夢。


そのままの意味だとは思うけれど、現実問題、そんなものが見られるのだろうか。



「夢で見たことが現実で起こるんだよ」


「それはわかるけど」


「何から説明しよう。さっきも言った通り俺、予知夢が見られるんだけれど、その夢で桜庭さんが出てきたんだ」


「私?」


「あぁ」



まだ頭の中で処理ができていない。


信じられないけれど、神代くんは予知夢を見ることができて、さらにその夢に私が出てきた。


そこまでは何とか理解することができた。


納得はできていないけれど。





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