君にたくさんのありがとうを
夕飯を食べて、お風呂にも入ってからベッドに寝転んだ。
家に帰ってきてもご飯を食べていてもお風呂に入っていても、帰り際に言われた神代くんの言葉が頭を駆け巡る。
“俺、予知夢が見られるんだ”
そもそも、それが理解できない。
そんなことできる人が現実世界にいるの?
考えても埒が明かない。
私が悩んでも仕方ないか。
神代くんと話したこと自体が夢のようだ。
「夢見てんのかなぁ」
頬をつねってみたけれど、しっかり痛かった。
夢じゃない。
交通事故に遭うって、いつどこで……
守るために一緒に帰ろうと言っていたのから推測すると、学校の帰り道なんだろうか?
学校から家までの帰り道には、車通りの多い道路も多いけれど……
詳しく聞かない限り、いつどこで起こるのかなんてわからない。
まぁ、もしそれが本当だとして、せっかく教えてくれたのなら気をつけていればいい。
あまり気にせず、その日はそのまま眠りについた。