君にたくさんのありがとうを



神代くんが言ったことが本当なのかどうか。


その答え合わせは明日。


何も無いつまらない毎日。


でも、明日はちょっとだけ楽しみになった。



「今日はありがとう」


「全然!」



もう日が傾いて来ていて、図書館にも人が少なくなった頃、私たちもお開きになった。


テストは1週間後。


あの後もわからない問題が出てきて、神代くんのおかげで解くことができて助かった。


いつもは追い払いたい気持ちになるけれど、今日ばかりは一緒に来てくれて良かったと思っている。



「じゃあ、また明日ね、詩織」


「……っ」



やっぱり名前呼びはまだ慣れない。


神代くんはいつまで私のことを名前で呼ぶつもりなんだろうか。



「神代くんも、また明日」



私たちはいつもの駅でさよならをした。





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