君にたくさんのありがとうを
「ごちそうさま」
今日も美味しかった。
皿を下げてから部屋に戻り、制服に着替えた。
「ちょっと早いけど……まぁいっか」
家を出る時間には少し早かったけれど、もう家をでることにした。
「おう、もう詩織も家出るのか?」
「うん、早く行って勉強でもしようかと思って」
「そうか、詩織は偉いなぁ」
家でやるよりも学校の方が捗るような気がするし。
お父さんに褒められて気分がいい。
「いってきまーす」
「行ってらっしゃい!」
お父さんと一緒にそう言うと、リビングの奥からお母さんの声がした。
お父さんは車で出勤しているから、私とは別。
朝の満員電車に乗らなくていいだなんて羨ましい。
このまま行けば、いつも乗る電車の一本前に乗れるだろうか。
駅に着くと、思った通りの電車に乗ることができた。
いつもより早いおかげか、少し空いているようにも感じる。
これから少し早起きしてこの時間に乗ろうかと思うレベルだった。