君にたくさんのありがとうを



「詩織がこの時間に来るなら、俺も明日から早く来ようかな」


「え、なんで?」


「そしたら一緒に話せる時間増えるでしょ?教室だと嫌そうな顔するから」



……バレてたんだ。


クラスメイトにあまり仲のいいところを見せたくないと思っていたこと、伝わっていたんだね。


私って顔に出やすいのかな?


もしそうなら、気をつけなきゃ。



「あ、そうだ。今日嫌な予知夢を見たんだよ」


「え、嫌な?」



なんだか、悪い予感がする。



「気になる?」


「そう言われたら……気になる」


「今日さ、毎時間当てられるよ、詩織」


「えっ……私?」


「そう、詩織」



まさか、また私の夢?


立て続けに私の予知夢を見るなんて。



「それ、本当に起こるの?」


「うん、起こる。だから、頑張って!」



……と、そうは言われても。


今日、当てられるのか。


しかも毎時間。


それは運が悪すぎる。


きっと今日の星座占いは最下位だ。




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