君にたくさんのありがとうを



学校に着くと、「職員室行かなきゃだから」と神代くんと別れた。


1人で教室まで歩く。


さっきまで神代くんが隣にいたからか、なんとなくそれが寂しく感じた。


今までひとりぼっちに慣れていたのに……なんか変な感じ。


教室で教科書とノートを広げ勉強をしていると、日誌を取りに行っていた神代くんが帰ってきた。



「ただいま」


「うん、おかえり」



まだ教室の中には、神代くんと私の2人きり。


やっぱりなんか変な感じ。


2人でいると、ドキドキする。



「毎時間授業の内容と感想書かなきゃいけないんだよ、面倒くさいと思わない?」


「うん……でも、毎時間当てられる予定の私よりいいんじゃない?」



そう返すと、「それもそっか」と神代くんは笑っていた。


まだ信じられていないけれど、茂木くんのこともあるからドキドキしている。


ちゃんと予習もしてきているから大丈夫だと思うけれど、みんなの前で発言するのは得意じゃない。


みんなさほど気にいていないだろうけれど、みんなから注目されているような気がして嫌なんだ。




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