君にたくさんのありがとうを



お風呂に入り、ポカポカした体で布団に入る。


この時間が私にとって一番幸せな時間かもしれない。


定期テストはついに明日。


徹夜はしない。


ちゃんとコツコツとやって来たから大丈夫。


ほら、寝ることも記憶を定着させるために必要だって言うでしょ?


ギュッと布団を掴んで、身に引き寄せた。


ぼーっとする時間に思い浮かべるのは、神代くん。


最近、神代くんのことを考える日が多くなった気がする。


それもそうだ、あんな夢のような話をされて、それが本当に現実になっているのだから。


今日だって、私が交通事故に遭う日はわからないと言っていた。


それもわかれば私も気をつけることができるのに。


そして、毎日のように神代くんがいなくても……


そう思うのに、心のどこかで神代くんがいないと寂しいと思ってしまう私がいた。


神代くんと居すぎて、心が麻痺してしまっているのかもしれない。


明日はテストに集中しなきゃ。


テストは明日と明後日に分けて行われる。


明日に備えて早く寝なきゃと、ぎゅっと目をつぶった。





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