君にたくさんのありがとうを



「今日はどんなこと当ててくれるんだ?」


「教えろよー!」



俺の話が話題になっていて、その日もクラスメイトから質問攻めにあった。



「えっと、それがさ……」



その話はとても言いにくかった。



「もったいぶらないで教えろよー」



友人がそう言う。



「聞いて後悔しない?」



俺は念の為にそう聞いた。



「あぁ」



そう言ったから……俺は打ち明けた。



「もう時期、お前の飼ってる犬が死ぬ」



そう言うと、まわりがシーンと静まり返った。



「な、何言ってんだよ!もうおじいちゃん犬だけど、まだまだ元気だし!」


「だ、だよな!ただの夢だから気にしないで」


「夢だとしても不吉だなぁ……まぁ、夢で良かったよ」



その場はそれでおさまった。


しかし、その数日後、事件は起こってしまった。




< 76 / 205 >

この作品をシェア

pagetop