君にたくさんのありがとうを



俺の予知夢が当たってしまった。


俺が予言した3日後のこと。


友人の飼っていた犬が無くなった。


病気や事故ではなく、老衰だということだった。


全てが当たっていた。


俺も今回のことだけは嘘であってくれと思っていた。


けれど、現実に起きてしまった。



「お前のせいだ」



埋葬を終えて、次の日登校してきた友人にそう言われた。



「お前が変なことを言うから俺の……」



目に涙を浮かばせて、言葉を詰まらせる。


俺が変な予知夢なんて見てしまったから。



「……ごめん」


「ごめんで済むかよ!もうお前の言うことなんて信じねぇ!」



俺の、友達がいなくなった。



俺は怖がられ、気持ち悪がられ……



あんなに毎日俺の近くには友達で溢れかえっていたのに。


この日から俺は教室内でひとりぼっちになった。


それ以来、俺は予知夢のことを誰にも話さなくなった。





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