君にたくさんのありがとうを



その頃からもう意識し始めていたのかもしれない。



「昨日アップされた動画見た?」


「あぁ、見た見た。面白かったよな!」



今日もまた圭佑たちと教室内で集まって、有名な動画配信者のアップされた動画について話している。


高校生になって圭佑から教えて貰って俺も見るようになった。


7人組のグループで、トークはもちろん面白いし、毎回動画の企画が飛び抜けていて面白い。


もちろん俺も昨日の動画は視聴済みだ。


ただ、そんな話よりも気になるのは詩織のことだった。


今日もひとりぼっちで机に座り、ぼーっと空を見上げてい



「颯馬、聞いてる?」


「え、あぁ聞いてるよ。動画の話だろ?」


「そうそう、明日生配信だろー?見たいけどテスト勉強もしないといけないしなぁ」


「私はBGMにして聞きながら勉強しようかな?」


「それ天才!俺もそうしよー」



俺たちの輪に入れてあげた方がいいだろうか?


いや、1人でいるのが好きで、それは迷惑な話かもしれない。


でも、日に日にもっと詩織と話したいという気持ちが強くなっていた。





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