君にたくさんのありがとうを



ある日直の日の朝。


面倒くさいことに、日直当番は朝一で職員室まで日誌を取りに行かなければいけない。


久しぶりに早起きをして眠たいせいか、何度もあくびが出た。


そんな登校中、少し前に歩いている詩織の姿が見えた。


ドクンと胸が高鳴る。



「おはよ、詩織」


「あ、神代くん……おはよ」



気づけば詩織の元へ駆けつけていて、声をかけていた。


まさか朝から俺に会うとは思っていなかったのか、詩織は驚いている様子だった。



「詩織、朝早いね」


「うん、最近朝早く行って勉強してるから」


「へぇ、偉い」



どんな理由があったのかはわからないけれど、朝から勉強するとは意欲が高い。



「神代くんは?」



俺がこんなに早く来ることは少ないからか、そう聞かれた。


今日は特別だ。



「今日日直でさ、日誌取りに行かなきゃだからいつもより早い電車に乗ったらこんな早く着いちゃった」



余裕を持って家を出たら、こんな時間に着いてしまったけれど、詩織に会えたことでラッキーだ。





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