イケメン生徒会長と病弱なツンデレ美少女との恋物語
「おはよ」
「今、何時」



外はすっかり日が暮れていた。
磯崎に連絡しないと。



『磯崎ごめん。保健室で休んでいたらこんな時間になってしまいました』
『わかりました。今から迎えに行きます』



はぁ。
やだな…………。
また小言言われるんだろうな。



それから30分。
磯崎はやってきた。




「お迎えにあがりました」
「ありがとう」
「お嬢様が遅くまでお世話になりました」
「お前さん彼女のお世話すんの仕事だろう?なんでそんな不機嫌面すんだ?」
「………お嬢様帰りますぞ」



先生の言うことに磯崎は無言だった。



車で1時間。
うちから高校は遠いから送り迎えしてもらっている。




「ただいま帰りました」
「悠希。あんたまだ帰ってなかったのかい?」
「具合い悪くて少し休んでいました」



この人は2人目のお母さん。
前のお母さんは病気で亡くなったから。
俺が体弱いのはお母さんに似たからって皆言う。



「夕飯の時間終わったよ」
「わかっています」
「お風呂入って休みます」



俺は逃げるかのように部屋に戻り着替えを持ってお風呂へ。
みんなに迷惑かけてるのはわかる。
だからって。
今の家は居心地が悪い。




早く大人になりたい。
家を出たい。
もっと健康になりたい。



なんでこんな普通のことが叶わないんだろう。



「純から」


純は実は同じクラス。
だから毎日宿題でたら教えてくれるしプリントも持ってきてくれる。



純に教えてもらった宿題を終わらせて布団に入る。



「お腹すいたー」



勝手に食べると怒られるし。
どうしよう。




カタン。

え?
何、今の音。



「おにぎりとたまご焼き」




誰かわからないけど。
おにぎり2個ときゅうりの浅漬とキムチ。




「いただきます」



1枚の紙切れが。
『お嬢様。奥さまはお嬢様のために煮物作って待ってらっしゃいました!夕飯の時間終わったけど食堂で食べてと奥さまは言いたかったんですよ』



何これ。
俺が悪いの??



さっさと食べて寝ようっと。
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