裏側の恋人たち
「グループ名は何にしますぅ?」
「好きに決めて」
後はいつもの調子を取り戻した愛菜にお任せだ。

「『聖母の会』って感じじゃないですよね。花言葉で母はカタバミですって。でも『カタバミ会』じゃ固いしーーー」

愛菜は何故だか”~の会”という名称にしたいらしい。
まあいいけど。

「365日花言葉があるらしいから誕生日一緒なんだしそれにします?」
「でも、二人目とか三人目とかできるかも?」
「そっかー、じゃあ違う方がいいかな」
「でも、せっかくだから星座から名前をとるとかーー」

ああ、もうこの子たちに決めさせたら中々決まらないじゃないの。

「はいー時間切れ。グループ名は『チームふたば台』に決まり。はい、登録っと」

「ええ、ダサすぎません?」
「・・・・・・。」

「決まらないんだから仕方ないでしょ。いいのよ、このふたば台病院の名前をいただいたんだからわかりやすいし」

「そうなんですけどー」

「文句があったらまた提案して。それがよければ変更すればいいんだから」

無理矢理二人を納得させてグループ名は決まった。

「外出許可が下りたらどこかの自宅に集まりましょ。それまではメッセージを送り会って励まし合って頑張ろう」

新しい家族が増えたことは嬉しい。
ただ育てていくにはそれだけじゃない。

今だっておっぱいは張って痛いし、子宮収縮も辛い。
おっぱいもすみれちゃんのようにもっと飲んで欲しいけど、うちの子はすぐに寝てしまう。
夜泣きはどうだろうか、病気はしないだろうか。

ナースだからといって新米ママの心配は尽きない。

でも、夫だけでなく仲間がいたらきっと大丈夫。



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