あのねあのね、
「わりぃ……ちょっとずつ俺に慣れさせたかっただけで、怖がらせるつもりじゃなかった。なちが嫌ならもう触んないから」
「ちがっ、!いやじゃない。触るの、やめないで……」
「っ……」
頭で考える前にポロッと出てしまった本音に、自分でもハッと驚いてしまった。
だけどどんな男の子に勘違いされても、夕凪くんにだけは勘違いされたくない……
「怖いんじゃなくて……恥ずかしくて、震えてしまって……っ」
夕凪くんが怖いからじゃない。
もし今私の中に怖いという感情があるのだとしたら、それは知らなかった自分が現れて、夕凪くんに嫌われないかという怖さだ。
彼の服をきゅっと掴むと、体がピクッと動いた気がした。
「好きだから、その、夕凪くんに触られるの、緊張して恥ずかしい……なのに、触られたとこはすごい嬉しくて、喜んじゃって……は、破廉恥でごめんなさいっ」
「……はっ?」
感情が止まらない。