あのねあのね、



「夕凪くんに、嫌われたくないのに……もっと、って…………や、やだ、嫌いにならないで……」


「…………」


きっと今すごく顔が真っ赤で、体も声も震えて涙まで出てきたし、死ぬほど恥ずかしい。
言ってることもハチャメチャな上に全部私のわがままだ。


「嫌いになるかよ……」


「ゆうなぎく……っ!?」


突然。声を遮るように先ほどよりも強めに唇にあたる感触と、頭を支える手から彼の温度が伝わってくる。


「ん……っ」


熱い。熱い。
伝わる温度も、身体の温度も。
まるでひとつになるみたいに、熱い。


「ゆ、なぎ……くん…っ」


「もう我慢の限界」


「……っ、……」


間髪入れずに落ちてくる長いキスに息が苦しくて、彼の胸を小さく叩いた。


唇が離れると、ハァハァと乱れた呼吸を整えようとする私に比べ、夕凪くんは呼吸が少しも乱れていない。
ただ、表情が艶っぽくて赤みがある。


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