あのねあのね、



「大体俺が触りたいっつってんのに、嫌なわけねぇだろ?」


「っ!」


再び背中に夕凪くんの手が入って、震える素肌が撫でられる。


「なち、知ってる?」


触られながら耳元で聞こえる声で余計に体が反応してしまう。


「好きな人に触られると、気持ちいんだって」


「え……っ」


「それに俺は、最初っからなちのこと気持ちよくしたいんだけど」


「ん、っ」


唇を始め、首、肩、鎖骨に角度や場所を変えてキスが落ちる。


「なちの全部、一生かけて俺がもらう」


「……っ!」


そんな甘くて深い言葉に魅了され、とろけそう。
体は熱を帯びたまま、心が幸せで満たされていた。


気づけば頭がぼーっとする。
恋愛に未熟で不慣れな私は、次々と与えられるキスに耐えきれず、夕凪くんの腕の中で伸びきっている。


「しまった、やりすぎた……」


と、上から声が聞こえた気がしたが、どんどん意識が遠のく。
夕凪くんの温もりに安心して目を閉じると、いつのまにか眠ってしまった。──



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