あのねあのね、
私の我儘に、付き合ってくれようとしてるんだ。
どこまでも嬉しくて、胸があったかくて、泣きそう。
(本当に甘えても、いいの……?)
「いいと思うけど……で、返事は?どうすんだ?」
「……!…よ、よろっ、よろしくお願いします…っ…」
勢いよく頭を下げた瞬間、我慢できずに涙が溢れた。
「泣くなよ……」
「ご、ごめんなさい…っ、すぐに、泣き止みますので」
「なんか…、カメコのはどうしていいかわかんなくて困るわ……」
「…?」
いつもと違う覇気のない夕凪くんの声に、本当にどうしていいかわからない様子に思えた。
私は急いで涙を拭く。
「駅まで送るから……っつっても、大通りに出たら距離はあけるけど」
「あ、ひ、ひとりで平気で……すっ!?」
夕凪くんに送ってもらわなくて大丈夫だと伝えようとすると、今度はギロッと睨まれる。