遠距離恋愛

出会い

『好きだよ。』

 吐く息がまだ白い。もうすぐ3月も終わろうとしているのにまだ肌寒さが残っていた。
ついつい寒いと口に出してしまった。
もう一度息を吐いて私は冷たく悴んだ指で送信ボタンを押した。
言うべきかすごい迷っていた。友達という関係でとても彼は満足していたようだったから。
「いうことは言った。これでだめならあきらめるしかないよね。」
するとすぐに返事はきた。私は思わずスマホを落としそうになってしまうのを何とか耐えて、もう一度読んだ。
『ごめん、今までそういう目で見てきてなかった。でもこれからは女の子としてみるから、ずるい言い方になるけど待っていてほしい。』

なんてずるいんだ。彼は、私に待っていろというのだ。ずるいよ。でも私、待つよ。時間かかっても。だからあきらめないよ。
この日私は別の覚悟を決めた。
「絶対振り向かす。」
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