Cherry Blossoms〜潜入捜査官と天才医師〜
「一花、メニュー何にするんだ?」

ヨハンが話しかけ、一花は「う〜ん」と顎に手を当てながらメニューを二つ指差す。唐揚げ定食と生姜焼き定食だ。

「こっちとこっちで迷ってて」

「じゃあ、僕が唐揚げ定食にするよ。半分こしよう?」

「本当!?やった!!」

「じゃあ、注文してくる」

ヨハンはどこか勝ち誇った笑みを浮かべている。それに苛立ちを何故か覚えてしまう。先ほどの二人のやり取りはまるで恋人同士のようだ。気になり、桜士は訊ねる。

「あの……二人はお付き合いされてるんですか?あっ、これセクハラですね」

言ってから気付いてしまう。口元に手を当てている桜士に対し、一花は首を傾げ言った。

「付き合ってませんよ?ただ、仲のいい友達というだけです」

一花の答えに安心感が込み上げる。一花の方に目を向けると、彼女はまたメニュー表を見ていた。

「ここってデザートも本当においしいんだよな〜。プリンも杏仁豆腐も、おいしかった!デザート何食べようかな〜」
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