混ざリあう。

⁑月と彼とブラウニー。

昨日は、皆既月食の日。


前から凄く楽しみにしてたから、駅からスーパーに向かう道中、周りの人に迷惑にならない様、少し止まって写真を撮った。

私が止まると、近くを歩いてた人達も立ち止まって、暫く月を見ていた。


皆、少し止まって同じ月を見る。


感じ方、見方は人それぞれだと思うけれど、


数秒間の間同じ月を見ている、ってなんだか素敵だなあって思った。



赤だからかな?

綺麗だけど、その中に芯の強さみたいな物もある感じで、近くにいる人と感想を言い合えたら良いのになあ、なんて思い。


そして、スーパーで買い物をした帰り道、また空を見上げるとさっきよりもくっきりと月には赤が広がっていて。


本当は、家で食べようと思っていたブラウニー。


思わず、歩きながら食べちゃった。


月とブラウニーって、なんか合わない。


とは言っても、月に合う食べ物って何なのか。お団子ぐらいしか思いつかない。


だけど、月を見ながら食べるブラウニーはいつもの味と違った。


うまく、言えないけど。


家に帰って、写真に撮った赤い月を見たけれど、見た時に感じた感動は薄れていて。


でも仕方ないなと思いながら、写真を見せて彼に、「月が綺麗だったよ、赤くて!」と伝えてみた。


そしたら、彼は、すぐに外に飛び出して直接自分の目で赤い月を見ていた。


やっぱり、写真も綺麗だけれど、自分の目で直接見た方が綺麗。というありきたりな気持ちが彼と一緒になって嬉しかった。


好き、


改めて思った瞬間だった。


でも、歩きながらブラウニーと食べたことは内緒で。


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