離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 未練がましくみっともなく懇願することになったが美紅を諦めなくて本当によかったとあらためて思う。あのまま彼女を失うことになっていたら、そんな未来を想像するだけで背筋が凍る。

「ありがとうございました」

 店員に見送られて俺は店を出た。手にしているペアウォッチの重さに心は弾む。これからは美紅と一緒に時を刻んでいくのだ。なにがあっても彼女を幸せにしよう、ミュンヘンの空にそう誓った。
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