離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「え~。時差もあって疲れているのにありがとうございます」
私が恐縮すると彼は「時差の激しい生活にはもう慣れてるよ」と言って顔をほころばせた。
食事のあとはソファに座ってふたりでゆっくり時間を過ごす。
「ミュンヘンはどうでしたか?」
「のんびり街歩きもできてよかったよ。そうそう、今回のフライトは珍しいことに副操縦士もチーフCAも同期だったんだ」
「へぇ、そんなことあるんですね!」
フライト中に急病人が出た話などを彼は聞かせてくれた。
「それから美紅に渡したいものがある。ちょっと待ってて」
桔平さんは立ちあがりリビングの棚になにかを取りに行った。いらないと言ったけれどお土産を買ってきてくれたのかもしれない。貴重な休息時間に自分のことを思い出してくれているというだけで胸がいっぱいになる。
(お菓子かな? 紅茶かな?)
ワクワクしながら待っていると彼は私の前に高級感漂うネイビーの箱を差し出した。さりげなく入ったブランドロゴに私は目を白黒させる。庶民にはとても手の届かない高級ブランドだったからだ。
「え……ドイツだからプレッツェルかな~と思っていたんですが」
ビールにも合うお菓子プレッツェルはドイツ土産の定番だ。
「プレッツェルも買ってきたよ。でもたまには……美紅にちょっと豪華なものを贈りたかったんだ。ドイツブランドではないけど日本で買うよりお得だしな」
私が恐縮すると彼は「時差の激しい生活にはもう慣れてるよ」と言って顔をほころばせた。
食事のあとはソファに座ってふたりでゆっくり時間を過ごす。
「ミュンヘンはどうでしたか?」
「のんびり街歩きもできてよかったよ。そうそう、今回のフライトは珍しいことに副操縦士もチーフCAも同期だったんだ」
「へぇ、そんなことあるんですね!」
フライト中に急病人が出た話などを彼は聞かせてくれた。
「それから美紅に渡したいものがある。ちょっと待ってて」
桔平さんは立ちあがりリビングの棚になにかを取りに行った。いらないと言ったけれどお土産を買ってきてくれたのかもしれない。貴重な休息時間に自分のことを思い出してくれているというだけで胸がいっぱいになる。
(お菓子かな? 紅茶かな?)
ワクワクしながら待っていると彼は私の前に高級感漂うネイビーの箱を差し出した。さりげなく入ったブランドロゴに私は目を白黒させる。庶民にはとても手の届かない高級ブランドだったからだ。
「え……ドイツだからプレッツェルかな~と思っていたんですが」
ビールにも合うお菓子プレッツェルはドイツ土産の定番だ。
「プレッツェルも買ってきたよ。でもたまには……美紅にちょっと豪華なものを贈りたかったんだ。ドイツブランドではないけど日本で買うよりお得だしな」