離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
七章
七章
慶一郎おじさんと茜子さんのことを知ってからちょうど一週間。
(慶一郎おじさんのために私たちが結婚生活を続ける必要はないんだ)
大門家の後ろ盾がなくても彼は大丈夫、そう桔平さんに伝える。それから小柴さんのこともきちんと話そう。
やっと決意できたというのに、あいかわらず桔平さんとはすれ違いの生活が続いている。今夜も桔平さんは戻れないと言ってた。
夜九時。玄関を開けると誰もいないはずのリビングに明かりがともっている。
「桔平さん?」
いぶかしく思いながら私はリビングをのぞき込む。
「あぁ。おかえり」
桔平さんが振り返る。
「あれ、今夜は帰れない予定だったんじゃ……」
次に会えたら話をしよう。そう思っていたけれど急に実現すると動揺してしまう。私の声に焦りがにじむ。桔平さんはそれを感じ取ったようで苦々しげな笑みを浮かべた。
「機体のトラブルで乗務スケジュールに大きな変更があったんだ」
「そう、だったんですね」
私の視線は宙をさまよう。
「俺は美紅に会えてうれしいけど……君は違うのか?」
傷ついているような彼の声に私は弾かれたように顔をあげる。
「あっ――」
慶一郎おじさんと茜子さんのことを知ってからちょうど一週間。
(慶一郎おじさんのために私たちが結婚生活を続ける必要はないんだ)
大門家の後ろ盾がなくても彼は大丈夫、そう桔平さんに伝える。それから小柴さんのこともきちんと話そう。
やっと決意できたというのに、あいかわらず桔平さんとはすれ違いの生活が続いている。今夜も桔平さんは戻れないと言ってた。
夜九時。玄関を開けると誰もいないはずのリビングに明かりがともっている。
「桔平さん?」
いぶかしく思いながら私はリビングをのぞき込む。
「あぁ。おかえり」
桔平さんが振り返る。
「あれ、今夜は帰れない予定だったんじゃ……」
次に会えたら話をしよう。そう思っていたけれど急に実現すると動揺してしまう。私の声に焦りがにじむ。桔平さんはそれを感じ取ったようで苦々しげな笑みを浮かべた。
「機体のトラブルで乗務スケジュールに大きな変更があったんだ」
「そう、だったんですね」
私の視線は宙をさまよう。
「俺は美紅に会えてうれしいけど……君は違うのか?」
傷ついているような彼の声に私は弾かれたように顔をあげる。
「あっ――」