離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
『もしもし、美紅? あのね、今日ついに尊くんと同じフライトだったのよ。せっかくだから飲みに行こうとなってさ。美紅も合流しない?』
夕菜の明るい声に私の張りつめていた糸がプツンと切れた。
「ゆ、夕菜~」
『え、どうしたのよ? ちょっと大丈夫?』
結局、うちの最寄り駅である高輪台の駅まで夕菜と尊がタクシーで駆けつけてくれた。三人で落ち着いた雰囲気の居酒屋に入る。
「えぇ、小柴さんの話ってそんなヘビーな内容だったの?」
青ざめた顔で夕菜が私を見る。ひとりでは抱えきれなくなってふたりにはすべてを話してしまった。
桔平さんは会社のために私との結婚生活を続けているのではないかという不安。彼は私との結婚前に小柴さんと付き合っていてふたりの間には子どもも生まれていること、その子はまだ生後数か月の小さな赤ちゃんであること。
「だからって美紅が身を引かなきゃいけないなんてっ」
夕菜は不満をあらわにする。
「ねぇ、尊くんもそう思うよね?」
尊にも詰め寄る。だけど、尊はなにか考え込んでいるようで夕菜の声は耳に入っていない。
「ちょっと聞いてる?」
夕菜の膨れっ面に尊はようやく我に返ったようだ。
「ちゃんと聞いてたよ。まずさ――」
尊は私に向き直り言う。
夕菜の明るい声に私の張りつめていた糸がプツンと切れた。
「ゆ、夕菜~」
『え、どうしたのよ? ちょっと大丈夫?』
結局、うちの最寄り駅である高輪台の駅まで夕菜と尊がタクシーで駆けつけてくれた。三人で落ち着いた雰囲気の居酒屋に入る。
「えぇ、小柴さんの話ってそんなヘビーな内容だったの?」
青ざめた顔で夕菜が私を見る。ひとりでは抱えきれなくなってふたりにはすべてを話してしまった。
桔平さんは会社のために私との結婚生活を続けているのではないかという不安。彼は私との結婚前に小柴さんと付き合っていてふたりの間には子どもも生まれていること、その子はまだ生後数か月の小さな赤ちゃんであること。
「だからって美紅が身を引かなきゃいけないなんてっ」
夕菜は不満をあらわにする。
「ねぇ、尊くんもそう思うよね?」
尊にも詰め寄る。だけど、尊はなにか考え込んでいるようで夕菜の声は耳に入っていない。
「ちょっと聞いてる?」
夕菜の膨れっ面に尊はようやく我に返ったようだ。
「ちゃんと聞いてたよ。まずさ――」
尊は私に向き直り言う。