離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「事実をきちんと伝えることの重要性は小柴美玲の件でよくわかったからな。正直に打ち明けるよ」
(打ち明ける?)
意味ありげな言葉に私は戸惑う。桔平さんはなにか隠していたのだろうか?
「俺は美紅にひとつだけ嘘をついていた」
「嘘?」
「そう。以前に見合いの場で君に一目惚れをしたと言っただろ? あれは正しくない」
「あっ!」
私は彼に気を使わせないよう急いで言葉を重ねた。
「そんなのは全然! きっかけが政略結婚でも桔平さんはずっと私を大切に思ってくれていましたし」
始まりは重要じゃない。そう伝えようとした私を遮って彼は言う。
「そうじゃない。俺は……見合いより前、もっと言えば君が入社する前から美紅を知っていたんだ」
「えっと、それは私が慶一郎おじさんの姪ってことで?」
私が入社する前から慶一郎おじさんと桔平さんは交流があったはずだ。そういう意味だろうと私は判断したけれど、桔平さんは首を横に振る。
「美紅はきっと覚えていないと思うけど……美紅がまだ高校生だった頃に俺たちは一度――」
「覚えていてくれたんですか?」
今度は私が彼の言葉を邪魔してしまった。
顔を見合わせた私たちの間にしばしの沈黙が流れた。先に口を開いたのは私だった。
「JG航空が夏休みのイベントとして企画した『職場体験プログラム』、桔平さんは先輩パイロットとして参加されていて……」
(打ち明ける?)
意味ありげな言葉に私は戸惑う。桔平さんはなにか隠していたのだろうか?
「俺は美紅にひとつだけ嘘をついていた」
「嘘?」
「そう。以前に見合いの場で君に一目惚れをしたと言っただろ? あれは正しくない」
「あっ!」
私は彼に気を使わせないよう急いで言葉を重ねた。
「そんなのは全然! きっかけが政略結婚でも桔平さんはずっと私を大切に思ってくれていましたし」
始まりは重要じゃない。そう伝えようとした私を遮って彼は言う。
「そうじゃない。俺は……見合いより前、もっと言えば君が入社する前から美紅を知っていたんだ」
「えっと、それは私が慶一郎おじさんの姪ってことで?」
私が入社する前から慶一郎おじさんと桔平さんは交流があったはずだ。そういう意味だろうと私は判断したけれど、桔平さんは首を横に振る。
「美紅はきっと覚えていないと思うけど……美紅がまだ高校生だった頃に俺たちは一度――」
「覚えていてくれたんですか?」
今度は私が彼の言葉を邪魔してしまった。
顔を見合わせた私たちの間にしばしの沈黙が流れた。先に口を開いたのは私だった。
「JG航空が夏休みのイベントとして企画した『職場体験プログラム』、桔平さんは先輩パイロットとして参加されていて……」