離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「ですよね。つい数か月前までは離婚するものだと思っていたのに」

 私は苦笑を漏らす。桔平さんも苦笑いで肩をすくめる。

「あのまま離婚していなくて本当によかった」
「はい! 赤ちゃん楽しみですね。男の子と女の子はどっちかな?」

 桔平さん似の凛々しい男の子、桔平さん似の優しい女の子。想像するだけでワクワクが止まらない。

「美紅によく似た努力家の男の子だったらうれしいかな。息子とキャッチボールをするのが夢だったんだ。いやでも、美紅にそっくりな女の子も絶対にかわいい。美紅と娘と三人でデートできたら幸せすぎる」

 私に負けないくらいの妄想を繰り広げている桔平さんがなんだかおかしくて私はクスクスと笑う。桔平さんは優しい声で言う。

「愛する美紅との子だ。性別はどちらでも宝物だよ」

 私はほほ笑みうなずいた。

「でも、これだけは覚えておいて。かわいすぎる宝物が何人生まれてきても、俺にとって美紅は特別な存在だから。我が子とも比べられない……もう殿堂入りみたいなものだな」

 極甘すぎる台詞に私の頬がポッと染まる。

「そんな笑顔で今の台詞は反則ですよ、桔平さん!」
「そうか? なら美紅は存在しているだけで反則みたいなものだ」
「も、もうっ」

 照れまくる私に桔平さんは言う。
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