離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
二章
 二章 

 それから八日後の水曜日。私たちのオフがようやく重なった。子どもっぽいかと思いながらも行きたい場所にはテーマパークをリクエストしていた。
 彼の運転で海の近くにあるパークへと向かった。このところすっかり春めいて暖かくなったので花柄のワンピースに薄手のアウターを羽織っただけだ。彼に合わせて大人っぽく見えるようにワンピースはネイビーのロング丈を選んだ。
 桔平さんはアイボリーのコットンニットにデニムを履いている。彼のデニム姿は初めて見るからすごく新鮮でドキドキする。

「桔平さん、運転上手ですよね」

 彼の車に乗るのは初めてではない。以前、一緒に結婚式の打ち合わせに行ったときにも乗せてもらった。

「あぁ。車も飛行機と同じくらい好きなんだ。なにかを操縦する行為そのものに心惹かれるのかも」

 そう語る桔平さんの瞳は少年のように輝いていた。彼は少し慌てたように言葉を足す。

「悪い。もしかしたら電車がよかったか? あのテーマパーク、最寄り駅も凝っていることで有名だったよな」

 大失態でもやらかしたかのように桔平さんの声が沈んでいるので私はすぐに否定した。

「いえいえ。ドライブ……って大人な感じで憧れていました」

 ドライブデートと言いかけたけど、なんだか気が引けて中途半端に言葉をにごした。

「大人か。今の俺には大人の余裕はまったくないけどな」
「え?」

 桔平さんはクスリと笑みをこぼした。

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