離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
『離婚したくない』という彼の言葉がもしただの同情だったとしたら、私は今度こそ立ち直れなくなってしまいそうだ。

 メインは生ハムとルッコラのオイルパスタ。さっぱりしていて食べやすい味だった。その後に出てきた生クリームの添えられたシフォンケーキとダージリンティーもおいしくいただいて、私たちはレストランを出た。

 午後はあれこれアトラクションに並ぶことはせず海を眺めながら散歩をしたり、ショップで土産を選んだりした。ショップもわりと大人向けでワインや高級チョコレートなど欲しくなるものがいっぱいだ。

「CAはワイン好きが多いよな」

 ずらりと並ぶボトルを眺めながら桔平さんが言う。

「そうですね。お客さまにオススメするための勉強をきっかけにハマっていくと先輩たちも言っていました」

 国際線だと現地でオススメのお酒はなにかと聞かれることも多いようだし、ファーストクラスならフライト中にも上質なワインを堪能することができる。

「私はまだ全然なので勉強しないと」
「じゃあ、次のデートはフレンチにでも行こうか。俺も教えられるほどの知識はないが」

 彼が次のデートを想定してくれていることに心が浮き立つ。抑えようと思っても顔がにやけてしまう。

「桔平さんはどんなワインがお好みですか? やっぱり辛口?」
「そうだなぁ。セックくらいが好みだな。これとか」
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