離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
心のどこかでくすぶっていた彼への思いが爆発してしまった。
(一年かけてやっと諦める決心をしたのに。桔平さんは笑顔ひとつで、甘いささやきひと言で、あっという間に私を溺れさせてしまうんだもの。――ずるいよ)
桔平さんも声を荒らげて応戦する。
「そんなことは言われなくてもわかってる! ちゃんと君を解放してやろうと思ってたんだ。それは嘘じゃない。けど……いざ別れるとなったら……どうしてもできなかった」
桔平さんは私の背中に腕を回し、ギュッと強く胸に抱き締めた。背骨がきしむほどに抱きすくめられて息もできない。彼は思いを吐き出すように言う。
「どうしたら美紅は俺を好きになる? 絶対に幸せにするから……あいつじゃなくて俺を見てくれ」
「――え?」
一瞬、頭のなかが真っ白になる。あいつが誰を指すのかはわからないけど、桔平さんが大きな誤解をしていることはわかった。
(もしかしなくても、私にほかに好きな人がいると思ってる?)
「き、桔平さん。待ってください! 私、桔平さん以外に好きな男性なんかいませんけど」
私が言うと今度は彼のほうが目を丸くする。見つめ合う私たちの間に微妙な間が流れた。
「どういうことだ?」
「どういうことでしょう?」
気持ちを落ち着かせるために紅茶を入れてソファに並んで座る。あらためて桔平さんが自分の思いを話してくれた。
(一年かけてやっと諦める決心をしたのに。桔平さんは笑顔ひとつで、甘いささやきひと言で、あっという間に私を溺れさせてしまうんだもの。――ずるいよ)
桔平さんも声を荒らげて応戦する。
「そんなことは言われなくてもわかってる! ちゃんと君を解放してやろうと思ってたんだ。それは嘘じゃない。けど……いざ別れるとなったら……どうしてもできなかった」
桔平さんは私の背中に腕を回し、ギュッと強く胸に抱き締めた。背骨がきしむほどに抱きすくめられて息もできない。彼は思いを吐き出すように言う。
「どうしたら美紅は俺を好きになる? 絶対に幸せにするから……あいつじゃなくて俺を見てくれ」
「――え?」
一瞬、頭のなかが真っ白になる。あいつが誰を指すのかはわからないけど、桔平さんが大きな誤解をしていることはわかった。
(もしかしなくても、私にほかに好きな人がいると思ってる?)
「き、桔平さん。待ってください! 私、桔平さん以外に好きな男性なんかいませんけど」
私が言うと今度は彼のほうが目を丸くする。見つめ合う私たちの間に微妙な間が流れた。
「どういうことだ?」
「どういうことでしょう?」
気持ちを落ち着かせるために紅茶を入れてソファに並んで座る。あらためて桔平さんが自分の思いを話してくれた。