離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
 桔平さんは苦笑いで私をそっと抱き締めた。私の耳元で彼は甘い声を出す。

「こうやって美紅といられるだけでも十分すぎるほど幸せだ」
「――私も。すごく幸せです」

 私がほほ笑むと桔平さんはチュッとついばむようなキスをした。私は身体を隠していた腕をほどいて彼の背中に回す。
 桔平さんは胸の頂を優しく食み舌先で軽く転がした。私の全身を未知の快感が走り抜ける。

「ふっ、ん」
「声は我慢しないほうが身体もほぐれる」
「あっ、やぁ!」

 私は彼を抱き締める腕にギュッと力を込めて熱い息を吐く。

「そう、上手だ」

 彼の指先と唇に与えられる快楽にずぶずぶと溺れていった。おなかの奥が切なく疼いて苦しくなる。

「き、桔平さん!」

 ねだるような私の瞳に彼はうなずいてショーツの奥へと指を差し入れる。あられもない水音がはっきりと聞こえたことに私は頬を染める。

「恥ずかしがることじゃない。美紅が俺を欲してくれているのはうれしい。――違うのか?」
「ち、違わない……です。私は桔平さんが――」
「俺もだ。美紅が欲しい」

 彼がゆっくりと私のなかに腰を沈める。快感と幸福が私の心と身体を埋め尽くす。
 愛する人に愛されることがこんなにも大きな喜びを与えてくれるなんて、これまで知らなかった。

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