離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「大門機長の言うとおりだった。俺は美紅が既婚者なことを忘れて、ちょっと気安く接しすぎてた」
「ううん。尊は同期として仲よくしてくれているだけだし……」
ふいに尊が私を見つめる。
「違うよ。俺のほうには下心があった。大門機長はそれ見抜いたから注意したんだと思う」
「えっ、それは……」
尊は苦笑して目を伏せる。
「美紅のこと、ずっといいなと思ってた。――もしかして大門機長から聞いた? 俺がふたりの結婚前に彼に言ったこと」
「――うん」
私も地面に視線を落とした。
「正直さ、美紅にとって一番仲のいい男友達だって自信はあったから……じっくりアプローチすればいつか恋人になれるかもと自惚れてたんだ。それを大門機長に横からかっさらわれたような気になって」
尊は恥ずかしそうに後頭部をかく。
「子どもだよな、ほんと。けどよりによって大門機長だぞ? かなうとこなんか一個もないし嫉妬して負け惜しみの嫌みを言った。わざと俺と美紅が両想いだと匂わせるような態度を取って……」
(――尊が私をそんなふうに見てくれていたなんて知らなかった)
「美紅本人はもちろん知らないだろうけど、大門夫婦は結構うわさの的だったんだよ。政略結婚だしうまくいってないんじゃないかとかさ。実際、美紅はそんなに幸せいっぱいって雰囲気じゃなかったし」
尊はそこで大きく息を吐く。
「俺が変なこと言ったせいか?と結構悩んでたんだ」
「ううん。尊は同期として仲よくしてくれているだけだし……」
ふいに尊が私を見つめる。
「違うよ。俺のほうには下心があった。大門機長はそれ見抜いたから注意したんだと思う」
「えっ、それは……」
尊は苦笑して目を伏せる。
「美紅のこと、ずっといいなと思ってた。――もしかして大門機長から聞いた? 俺がふたりの結婚前に彼に言ったこと」
「――うん」
私も地面に視線を落とした。
「正直さ、美紅にとって一番仲のいい男友達だって自信はあったから……じっくりアプローチすればいつか恋人になれるかもと自惚れてたんだ。それを大門機長に横からかっさらわれたような気になって」
尊は恥ずかしそうに後頭部をかく。
「子どもだよな、ほんと。けどよりによって大門機長だぞ? かなうとこなんか一個もないし嫉妬して負け惜しみの嫌みを言った。わざと俺と美紅が両想いだと匂わせるような態度を取って……」
(――尊が私をそんなふうに見てくれていたなんて知らなかった)
「美紅本人はもちろん知らないだろうけど、大門夫婦は結構うわさの的だったんだよ。政略結婚だしうまくいってないんじゃないかとかさ。実際、美紅はそんなに幸せいっぱいって雰囲気じゃなかったし」
尊はそこで大きく息を吐く。
「俺が変なこと言ったせいか?と結構悩んでたんだ」