離婚直前、凄腕パイロットの熱烈求愛に甘く翻弄されてます~旦那様は政略妻への恋情を止められない~
「おのろけ、ごちそうさまです。それじゃ、私たちは失礼しますね」
「あぁ」
彼女たちとは逆の方向に俺は歩き出す。
小林の言ったように美紅はとても綺麗だ。CAは華やかでゴージャスな美女が多いが彼女は少しタイプが違う。決して派手じゃないのに不思議と目を惹く。極彩色のなかにあると純白が目立つのと同じ理屈かもしれない。楚々とした彼女のオーラは広い空港施設内でもいつもひと際輝いて見えた。
「大門さんっ」
美紅とは全然違う鼻にかかる甘ったるい声が俺を呼び止めた。振り返ると見知らぬ女が立っていた。小林たちの一団から抜けてきたのだろうか。
背は美紅と同じくらい高く、目鼻立ちがくっきりとした整った顔立ちだ。年齢は三十歳手前くらいだろうか。CAというよりは芸能人のような雰囲気を持っている。
「……DLC航空の?」
自社CAも全員の顔を知っているわけではないのだが、なんとなく共通する雰囲気というものはある。彼女はうちの人間ではない気がした。
「はい。DLCのCAで小柴美玲です。大門さん、私のこと覚えてますか?」
やけに親しげに彼女は身体を寄せてくる。記憶をたどってみたがまったく覚えがない。
「ずいぶん前ですけどニューヨークで一度ディナーをご一緒したことがありますよ。覚えていないなんて寂しいなぁ」
「あぁ」
彼女たちとは逆の方向に俺は歩き出す。
小林の言ったように美紅はとても綺麗だ。CAは華やかでゴージャスな美女が多いが彼女は少しタイプが違う。決して派手じゃないのに不思議と目を惹く。極彩色のなかにあると純白が目立つのと同じ理屈かもしれない。楚々とした彼女のオーラは広い空港施設内でもいつもひと際輝いて見えた。
「大門さんっ」
美紅とは全然違う鼻にかかる甘ったるい声が俺を呼び止めた。振り返ると見知らぬ女が立っていた。小林たちの一団から抜けてきたのだろうか。
背は美紅と同じくらい高く、目鼻立ちがくっきりとした整った顔立ちだ。年齢は三十歳手前くらいだろうか。CAというよりは芸能人のような雰囲気を持っている。
「……DLC航空の?」
自社CAも全員の顔を知っているわけではないのだが、なんとなく共通する雰囲気というものはある。彼女はうちの人間ではない気がした。
「はい。DLCのCAで小柴美玲です。大門さん、私のこと覚えてますか?」
やけに親しげに彼女は身体を寄せてくる。記憶をたどってみたがまったく覚えがない。
「ずいぶん前ですけどニューヨークで一度ディナーをご一緒したことがありますよ。覚えていないなんて寂しいなぁ」