シニジゴク！/エロティックホラーＳＳ①

ついに来たぞー‼

ついに来たぞー‼




ーまずは前説…ー


人は常に死を意識し、日々を生きている。
それは当たり前…。

さらにそこは覚悟…、ケジメ、切れ目…、それにサイゴの”お楽しみ”…。

そうなのでした～。

この世に肉体を置いて出る瞬間、サイゴのオルガズムを”味わう”ことができるんです‼

俗世に侵され続けたニンゲンは、潜在意識の奥で、それをサイゴのお楽しみとして据えていたんです…！

特に♂は…。

そしてこのたび、あの世へ発ったＲ氏もまた然りで…。
生前ずっと待ちわびていた、”至極の時”に胸をときめかせるのでありました～。


＊＊＊


Ｒ氏は今まさに、その”待望の時”を迎えようとしていた…。


”ふふふ‥、さあ、門出の時が来たぞー！クサレ縁の汚れきったお体を脱ぎ棄てた瞬間、オレは現世で数千回に及んだ性的エクスタシーが束になっても叶わん、至極のエクスタシーに締め落とされ、この淀み切った俗世間から解放されるんだ～～💖…すなわち、現世との別離こそ、ラストエクスタシーな訳だぜー”


Ｒ氏は、この世とあの世をつなぐ”列車”に乗車する、まさにその瞬時…、我が卒業式次第の昇天シーンに恍惚の限りを寄せていた…。
もっとも、現世の量りではもののコンマ０秒以下の時軸ではあったが…。


＊＊＊



”よし！もうすぐだ…。へへ…、そうとなれば、サイゴの昇天相手はあの子しかいないゾー”


Ｒ氏の脳裏が渇望した”あの子”とは‥。
それは享年６９歳の彼がまだ２１歳の青年だった頃…、そのギラギラの性欲に占領されていた時期、遭遇した…。


”あの娘は天使…いや、妖精…、いやいや‥、女神だったって❣…あの匂いが忘れられない…‼それ…、その、この世とは思えないシャンプーの匂いを俺に嗅がせてくれ～❣”



＊＊＊



Ｒ氏の悶々たる若き頃、ココロに刻みこんだ記憶の主…、その彼女、Ｙ美ちゃんは”現れた”…。
もう、どうしようもなく昇天モードに誘われるアイドルスマイルとピッチピッチのそそりまくりボディー…💦


”今生の別れは大地に口づけするのを放棄して、Ｙ美ちゃーん、キミのボデーに接吻させてもらうぞー❣”


Ｒ氏は今、不摂生に侵食されまくったその肉体をほっぽり捨てた…。
そして、解放の途に着いた彼はとんだ…。
更に、そして…‼
ふっくらな解放の女神の胸もとにたどり廻ったのであった…。


”Ｙ美ちゃ～ん～～❢❢”


ついにこの時をゲットできた…。
その実感で、死んだ瞬間のＲ氏はすでに実体のないカダラの面影をふやかしていた。
でも…、であった。