夢から始まるホントの恋
煩いな。誰でも転ぶ事だってあるっての。
今度野沢が転んだ時にはお腹抱えて大笑いしてやる。

頭の中で野沢が転けて自分が大笑いしている想像をして、ニヤニヤする。
「何ニヤけてんだよ。ほら早く立てよ」

やばっ、バレてたか。
あ…そうだ、立たなきゃ。立て私。
___あ、れ。
た、てない…
立てない。
足首が痛む。段に引っ掛けて捻ってしまったみたいだ。
……どうしよう。
また手貸してもらう?いや、それじゃ夢と同じに…
「立てって」
野沢が急かせる。

無理だよ。立てないんだもん。足痛いの。こういうのすぐ気づいてくれるスマートな男子になろうと思わないのか。
…野沢はそういうんじゃ無いか。





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