夢から始まるホントの恋
「んっ、」
野沢は不服そうな顔をしながら、私に手を差し伸べてくる。
「ありがと…」

私は正直コイツに助けられたくなかったし、貸しを作りたくなかった。
でも何故か、野沢が少し。ほんとに少し、優しい気がした。

野沢の手を取り、何とか立ち上がれた。
「行けるか?」
野沢が俯いていた私の顔を覗き込む。

…えっ……?

急に顔が近くなって、一瞬ドキッとした。
< 16 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop