夢から始まるホントの恋
野沢の肩を借りながら、廊下を片足引きずりながら進む。
野沢の顔が近くて、あまり居心地は良くなかったけど。

どうやら押し倒される展開にはならなかったらしい。不幸中の幸いと言っていいのだろうか。
足がズキズキと痛む。

__そんな時だった。
野沢が突然、籠に入れられたフラスコをベンチに置き、私の足元を見つめ始めた。
謎の状況に理解出来ず片足を軽く上げたまま混乱していた。

「わっ」

野沢が私の体を軽々と持ち上げ、歩き出した。思わず私も声をあげてしまった。


何?これ、これって…

世間で言う、「お姫様抱っこ」だ。
< 18 / 72 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop