夢から始まるホントの恋

また

「っ!…」

パチリと目が覚めた。
上体を起こして周りを見回すと、見慣れた自分の部屋が広がっていた。
何なのこれ…私さっきまで廊下にいたはずなのに。

悔しいけど、正直言って楽しかった。野沢とあんな風に話せるなんて。まぁ、夢の中なんだけど。
野沢は私が思っていたより悪い奴ではなかったのかな。
…いやいや私何言ってんの!?あんな自己中心的な奴なんか嫌いだし!ブンブンと顔を横に振って気持ちを追い払ってから、両足を布団の外に出して、ベットを後にした。

トイレに行って、顔を洗って。毎朝のルーティンをこなして行く。
今日も夢と同じ事が起こるのではないかと、嫌な考えが浮かんだが、洗顔泡を水で洗い流したと同時に、その考えも流れて行った。
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