夢から始まるホントの恋
鞄を肩にかけ直し、肩かけの部分を握る。
「あ…」
喉が詰まって出てこない。
「あ?」
「あ、りがと」
変なところで区切ってしまい、更に恥ずかしくなる。
「じゃ、じゃあ」
野沢の顔なんて振り返らずに、相変わらずニヤニヤしている友人の手を取り階段を駆け上がった。
「え、ちょ琴音!?」
咲の言うことなんて聞かずに階段を登り切り、息を切らす。
「もー何…って、え?」
「うるさい…」
必死に手で顔を隠す。
「顔真っ赤じゃん…」
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