「お嬢さんを俺にください!」

車に戻って仕方なく少し濃いめのメイクをした



「うん、綺麗だよ、優里愛」



「陽介って
ケバい感じの私が好きなの?」



「ケバい?
ケバくなんかないよ
よく似合ってるよ、優里愛」



「素の私は嫌いなの?
メイクしてない私は?
着飾ってない私は?」



「家ではそれでいいかもしれないけど
身だしなみとかマナーとして大事なことだよ」



陽介が買ってくれたコートの上に
自分で買ったマフラーをした



「優里愛なに?そのマフラー?
今日の服には合わないよ」



「初めて自分の稼いだお金で買ったの
それから香水も」



「香水なんて優里愛も大人になったね
まぁ身だしなみとしては大事なことだからね
優里愛が付けてる香水、メンズだよね?
僕はあまり好きじゃないな」



いつもほんの少しだけ付けてる

ユーヤもそうしてたから


たまに香ると思い出す


ユーヤの匂い

好きな人の匂い



「陽介…
好きな人の匂いってね
自然と好きになるんだって…」



「優里愛に似合う香水
僕が今度選んであげるよ」



陽介に言ってもわからないよね


陽介は私が好きなんじゃなくて
私を自分の好みに変えてる



陽介にはわからないでしょ

人を好きになるって気持ち



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